皆さんこんにちは、初めましての方は初めまして。まどです。
先日、少女☆歌劇レヴュースタァライトを劇場版まで完走しました。じゅんなななほんますき
トップスタァ、即ち主役を巡り歌って踊って奪い合うのが本作の主なストーリーになっています。
そんなレヴュースタァライトを完走した挙句、劇場版に至っては一週間で三度見るほどハマった訳なんですが、公開期間も終わりに差し掛かって冷静に頭回してる時にふと思ったんです。
主役ってなんだ?はたまた脇役ってなんだ?
なんか哲学みたいになっちゃったんですが、私にそこまでの頭は残念ながらありません←
どんな物語にも必ずいるじゃないですか、主役と脇役が。主役一人だけでは物語は進まない、かと言って脇役数人だけでも盛り上がりに欠ける。そしてそのバランスやそれぞれの立ち回り等も加味すると、実は結構難しいものなんじゃないかと考えています。
そんな訳で今回はそんな主役と脇役への個人的観念をラブライブに基づいて綴ろうと思います。サムネに困ったので愛さん回予告画像を置いた顔
脇役がいてこその主役
先に前提を話しておくと、ラブライブ!という物語そのものの主役は勿論各シリーズのスクールアイドル9人(Liella!は5人)であることは間違いありません。虹ヶ咲はこれに高咲侑も含まれているものとして考えます。
ただ、どのアニメにも何話かは特定のキャラを中心に話が展開されていく主役回というものがあり、ラブライブにおいてもそれは例に漏れません。特に虹ヶ咲は10話、13話を除くほぼ全ての回が明確に誰が主役の回かはっきり出ているかと。
この主役回が展開されるという事は、その回の主役となるキャラが目立つ反面どうしても出番が減ったり、極論その回はほぼ出番無しとなるキャラがどうしても存在し、仮に出番があったとしてもその回においては脇役に徹する事が多いかと思います。
ではこの脇役に回ったとして、その回は何も活躍せずに終わるかと言われたら、そんな事は一切ありません。冒頭で触れた通り、主役一人では物語は成り立たないんです。時に脇役の発言や立ち回りが物語の進行や主役の心境に良くも悪くも大きな影響を与える事があります。
いくつか例を挙げるとすれば、まずは虹ヶ咲2話の朝香果林から。ここはかすみ回ではありますが、まだ同好会メンバーがゆうぽむかすしかいない都合上、上原歩夢が準主役的な立ち位置にいる回ですね。
自身のスクールアイドル像に思い悩み、あゆぴょんに迷走中の歩夢。正直これでも一定の人気出そう
そんな歩夢を目撃したのは同じく迷子中と思われる果林さん。果林さんは「ごめんなさいね、とっておきの可愛いところ見ちゃって」と謝罪すると共に、アドバイスを伝えます。
でも……それはアナタの言葉?
もっと伝える相手の事を意識した方がいいわよ
アドバイスを受けた歩夢は、頭ではわかってても今の私にファンなんていない、とやはり理解に苦しんでいる様子。しかし、侑の顔を思い浮かべ、応援してくれる人ならいる、と一つの答えを見出したような顔に。納得した歩夢を見届け、果林さんは「お節介終わり、頑張ってね」とその場を立ち去るまでが一連のシーン。まーた迷子になるんだろうなあ
2話のみでくくれば脇役の範疇を出ないであろう果林さん。しかし歩夢のスクールアイドル像を形成するにあたり重要なアドバイスをした事は間違いありません。更にこの後、事前に持ち出していた名簿から優木せつ菜の正体を明かすなど、脇役回でありながら立ち回りとしては大きい働きをしたと言えるのではないでしょうか。
次に6話の宮下愛。ここは璃奈回であると同時に、愛さんが準主役とも言える活躍をすることから第二の愛さん回との意見も。
6話の冒頭は過去に遡り、天王寺璃奈と宮下愛の邂逅からスタートします。そもそも2人の共通点は学科が同じだということぐらいで、学年が違う上に一言で纏めるならオタクとギャル。文字通り何かしら思いがけない出会いがないと絶対に接点ができないであろう事は間違いありません。
そんな2人の出会いは、ジョイポリの割引券を手に思い悩む璃奈に愛さんが声をかけた事から始まります。
愛「何かキミ、元気なさそーだったからさ!」
璃奈「……え?」
改めて見返すと、常に無表情のりなりーに元気なさそーという言葉は「えっわかるの?」と驚かされますね……あっちこっちで人と関わる事が多い愛さんには雰囲気から読み取れるのかも。
「お友達と行ってください」と割引券を差し出したりなりーに「じゃあ、一緒に行こうか!」と既に愛トモ認定の愛さん。バケモノスペックと人情ならニジガクは愚かラブライブシリーズでもトップクラスですね。
そしてここでりなりーは「初めて人と繋がることができた」と語っていた事や、そもそも愛さんと出会っていなければスクールアイドルの天王寺璃奈そのものが存在しなかったと考えると、天王寺璃奈にとって宮下愛は人と繋がる喜びもスクールアイドルを通してその繋がりを広げられる事も教えてくれた、大恩人なんです。
私には、愛さんがいた。しずくちゃんには……
りなりーにとって愛さんがどれだけ大きい存在か汲み取れるこの台詞、大好き。
最後に8話の中須かすみ。ここはしずく回ですが高咲侑が唯一ほとんど介在しない回であったり、そもそも1年生3人、特に桜坂しずくと中須かすみを中心に展開される事からほぼほぼしずかす回とも読み取れます。
"荒野の雨"の主演を下ろされてしまい、再オーディションを行う事になったしずく。そんなしずくの課題は自分をさらけ出すこと。
しかししずくは、小さい頃から昔の映画や小説を好む、言ってしまえば少し変わった女の子だった。そんな子は自分だけで、嫌われたらどうしようと思った時に出会ったのが、演技だった。
演技なら自分を隠す事ができる、嫌われないと思ってやってきたのに、今回の課題は自分をさらけ出すこと。
しずくは嫌われる事を恐れ、目を腫らすぐらい泣く程に悩んでいました。
表現なんてできない……
嫌われるのは……怖いよぉ……
そんなしずくに発破をかけたのは、他でもないかすみでした。
もしかしたら……しず子のこと好きじゃないって言う人もいるかもしれないけど……
私は!桜坂しずくのこと大好きだからッ!!
信じられるか?これで付き合ってないんだぜ?
かすみが「帰るぅ!」と立ち去った後、吹っ切れたしずくにはさっきまでの表情が嘘のように笑顔が戻りました。そして再オーディションで主演を奪還し、Solitude Rainへとストーリーが進みます。
かすみは同好会を再建しようと動き出してからは2代目部長を名乗っています。しずくは「自称ですけど……」と困惑気味でしたが、実はそれを誰かに否定されたことはないどころか、13話のスクールアイドルフェスティバル前には円陣の掛け声も任されています。
ではそれはどうして?となった時に最も早く最適解を出せるのがこの8話や続く9話なんですね。真っ先にしずくの異変に気付いたのもかすみですし、普段から皆を出し抜こうと考えている分、周りをよく見ていることがよくわかります。続く9話ではDIVER FESに出る果林さんにパワーを分けようとハイタッチを提案するなど、いざという時は誰よりも仲間を励ます事にも長けており、だからこそなんだかんだ言いながらもかすみは部長として信頼されているんだなあ、と理解できると思います。
そして8話でゆうゆが殆ど出番無しのせいか、夢がここからはじまるよでは捏造疑惑が……(チョーカー自体は作ってる描写があるが)
歩夢「わたし……知らない……」
ごめん、俺も知らない。
"主役を喰らう脇役"の意味
また、この記事を綴ろうと思ったのにはもう一つ、別アニメで気になる台詞を拾ったからなんですね。
一人で強くなれはしない。他人の"個性"をコピーする……僕は主役を張れる身体にない。
でも……僕はこの身体を恨みはしないのさ!
名作には必ずいるものだから……主役を喰らう脇役ってやつがね!
───僕のヒーローアカデミア 99話「ぼくらの大乱戦」より 物間寧人
個人的に興味深い台詞である"主役を喰らう脇役"と放ったのは、主人公、緑谷出久(みどりやいずく)達が在籍するA組と同じく、ヒーロー科でもう一つのクラス、B組に在籍する物間寧人(ものまねいと)といいます。名前の通り他人の"個性"即ち特殊能力をコピーする能力を持っており("個性"伸ばしの結果4つまでストック可、使用限度は5分)良く言えば無限の可能性を秘め、悪く言えば単体では戦えないも同然の能力。本人も昔から「その"個性"じゃスーパーヒーローになれないね」と言われており、つまり主役にはなれないと。
しかし物間は「この身体を恨みはしないのさ」と言っており、その現状は受け入れたものと考えています。
そして彼なりに考えた結果が「主役になれないのなら脇役として主役以上に目立ってやろう」ということなのでしょう。コピーする能力によっては主役を凌ぐ活躍も難しくはないと思いますし。
つまり彼の考える"主役を喰らう脇役"は文字通り「主役の活躍の場を奪ってでも活躍する」といった意味合いが強いと考えています。そしてこれは主役脇役を巡る当事者側の考えでもあると思っています。
しかしわたしが考える、そして第三者から見る"主役を喰らう脇役"は少し違ったものになります。わたしなりに意味合いを紐解く鍵になるのが、ラブライブ!サンシャイン!!におけるライバルユニットのSaint Snow。Believe againの衣装も曲も本当に大好き
Saint Snowの出番は1期7〜8話、12話、2期6話、8〜10話、12話、そして劇場版と、出番が多いか少ないかの判断が非常に難しいところではあります。理亞は2期8〜9話で主役回を貰っていますが……
彼女達のような出番が限られたキャラが我々見る側に好印象を与える為に必要なもの、それはインパクトです。実際色々な作品を見ていると、主人公より人気なキャラ、出番の少なさの割に人気が高いキャラがいる作品なんてザラにあり、特に後者の共通点としては数少ない出番の中で一際大きな感動や衝撃を与えたキャラであるということ。
そんな中Saint Snowが見せた印象的なシーンは…SELF CONTROL!!の圧倒的なパフォーマンス
ラブライブは遊びじゃない!と言ってのける覚悟
自分達が知りたいものは勝たなきゃわからないという信念
不器用ながらも本心とわかる親愛
憧れを追いかける者の葛藤やそれを見守る者の慈愛
Believe againで魅せた圧倒的なカッコよさ
特に劇場版で抱かれた……もとい落とされた人は多いんじゃないでしょうか。だってBelieve againは本気で落とそうと思えば老若男女問わず全員抱けるし実際落とせるんですよ……って言いたいぐらい衝撃的。
わたしはどうしたかって?このブログ書いた翌日にDWTと1stGIGの円盤買ったが?こいつチョロいなって思うでしょ?うるせえ!!!
とにかくわたしが伝えたいのは、わたし達第三者にとっての"主役を喰らう脇役"というのは、単に主役から出番を奪うのではなく、限られた出番の中で感動や衝撃を与える事でわたし達に主役以上に大きな印象を持たせる事にあると思います。
実際、劇場版一周目を見た時はBelieve againのあまりのカッコよさに全て持ってかれて、Brightest Melodyからラストまでのストーリーがあまり頭に入って来なかったのでSaint Snowは文字通りわたしから主役の印象すら喰ってしまったと言えるでしょう。
まとめ
ここまで綴ってきましたが、結論としては主役じゃないなら何一つ活躍できない、目立たないなんて事は全くないということが伝わってくれれば幸いかなと。これを書いた背景にはスーパースターにてワンフレーズ分のメロディ、名称まで明らかになったサニパの存在も少しばかりあって、少なくともあと1ヶ月は詳細お預けなのがツライ……Saint Snowに抱かれた件も相まって、多分普通に見ている人間よりは警戒しつつも非常に楽しみにしてるんですよね。
そしてこのサニパが本格的に登場した時、少しでもこの記事を思い出してどんな活躍を見せてくれるのか一緒に楽しみにしてて欲しいなあ、とライバルユニットフェチになりかけてるわたしからの僅かな願いです。奴らは上から来るぞ!気を付けろ!!
それでは皆さん、ここまで読んで下さってありがとうございました!